破れないフィルム型圧着書面の技術は、保険組合からのマイナ保険証の代わりとなる「資格確認書」の発送についての相談から生まれました。
通常、保険証などの重要書類はカードを封書で送付しますが、当社は重要書類をZ折はがきの中面に挟込み、その中面に破れないフィルム圧着加工を施し、郵便はがきとして送ることで、大幅なコスト削減と納期短縮を実現しました。
印刷会社でありながら、大量複製の印刷のみでなく、宛名などの個別の可変データの「印字」をシステムから自社で構築できることが最大の特徴です。
営業、SE、工場が密に連携し、全工程で顧客の細かい要望をダイレクトに反映できる点も強みです。
郵便法に準拠した形状で、3面はがきの中面に破れないフィルム加工を施す技術は一般的な製造方法では難しい弊社独自の加工技術となります。
フィルム型圧着加工においては、はがきサイズから封書の二つ折・三つ折、A3二つ折りに対応できます。
● 自社でシステム開発することで、顧客ニーズに沿った印字プログラムを迅速に構築できる。
● 文字、図柄、写真等を組み合わせた情報を1枚ごとに異なる内容で印字することが得意。
● 郵便法に準拠したZ折圧着はがきにおいて、中面が破れない特殊なフィルム型圧着の加工が可能。
● 重要書類発送用はがきとして開発した破れないフィルム型圧技術を他の用途に展開できていない。
● 書面の全ての面を破れない仕様にはできない他、紙質・紙厚・サイズ等の制約がある。
● お客様の課題やニーズに沿った商品を提案・開発することができる反面、自社オリジナルの製品がない。
当社はこれまで、お客様の困りごとやご相談に真摯に向き合い、システム開発やデータ印字の技術を活かして新規事業を立ち上げ、新たな顧客層を開拓してきました。現在は、これまで培ってきた強みとデジタル技術を融合させた新たな事業に取り組んでいます。その一つとして、外部のベンチャー企業と連携し、「デジタルスタンプラリー」のシステム開発を進めています。そのようなシステムに自由自在なデータ印字と破れないフィルム型圧着書面を組み合わせた取り組みができるような事業展開を希望します。
当社では、お客様にとって面白く、かつ合理的な提案を行うことが、企業の成長につながると考え、様々な試練や課題を乗り越えてきました。今回の取り組みもその延長線上にあると位置づけています。これまで積み上げてきた技術やノウハウを活かせるような、自由な発想のデザインやプランを心から楽しみにしています。
当社の課題は、製品が実用性を重視したものが中心であり、「実用品」という枠組みにとらわれがちな点です。だからこそ、印刷業界に普段関わりのない方々の新しい視点や柔軟なアイデアが、新たな可能性を広げてくれると大いに期待しています。
当社の設備や人材と一緒に、これまで当社が培ってきたシステム開発、印刷及びデータ印字とフィルム圧着加工技術を融合した事業(または商品)を活用していただき、0から新しいものを一緒に作り出したいです。
企業情報
昭和32年 東京都江戸川区に設立した印刷会社です。
オフセット印刷機2台・オンデマンド印刷機2台(RICHO C9500 と C7500)・フィルム圧着加工機を保有。
*C7500はCMYK4色のほかに金・銀・蛍光ピンク・クリア・ブラックライトなどの特色印刷が可能。
そのほか、断裁機、紙折機、ミシン加工機、穴あけ機、ナンバリング機、封入封緘機、検査機、計数機を保有。
●システム開発はSE(システムエンジニア)が在籍、PHP開発のほかWordプレス、WEBにも精通しています。
プライバシーマークを取得し、個人情報を適切に扱うことができる環境が整っています。
●破れないフィルム型圧着書面の製造工程について
1.固定部分をオフセット印刷機にて印刷(印影等、可変ではない部分)
2.専用台紙の作成(切欠き加工及びミシン目入れなどの型抜き作業を外部委託)
3.自社システムで印字プログラムを作成し、顧客からのデータを受信し、オンデマンド印刷機にて印字(その際、コピー防止加工及び可変データとQRコードを印字)
4.フィルム圧着加工し郵送
https://showaprinting.co.jp/
2019年 江戸川区産業賞 優良企業
2022年 東京都信用金庫協会主催優良企業表彰 優秀賞
2024年11月 東京都経営革新優秀賞 最優秀賞
2024年11月 特許出願「圧着書面及び圧着書面の製造方法」特願2024-201233
回答者 田村 耕作さん
社員は30代から70代まで幅広い年代の社員が在籍しており、活発なコミュニケーションが特徴で非常に明るい職場です。風通しが良く、柔軟で協力的な環境が整っています。新しいことにも前向きに取り組める雰囲気があり、一人ひとりの意見や挑戦が歓迎されています。従業員19名のうち男性8名、女性11名となります。
印刷業とは広く、大量複製、大量複写の印刷物の製造を指しますが、それにとどまらずいち早く可変データの印字や封入封緘等のデジタル技術を取り入れ2024年には「令和6年度 東京都経営革新事業」において最優秀賞を受賞しました。常にお客様の意向を丁寧にくみ取りながら、新しい事業に挑戦し続けてきた結果であると自負しています。オフセット印刷機やデジタル印刷機、圧着機、封入封緘機、検査機などの設備と、開発力・対応力に優れた人材が揃い、従来の枠にとらわれず新たな挑戦を続ける組織力が弊社の特長です。
・オンデマンド印刷機C7500は、特色トナー(金・銀・クリア・蛍光色)の印刷が可能であるが、現状活かせていない。
・偽造防止(コピー防止)機能の用途開発。
・封入封緘機(「書類を折る」 「書類を封入する」「のり付けする」といった作業を自動で行う機械)の活用。
・WEB、システム開発に精通する社員がおり、データ印字技術を持ち合わせているため、さらなる紙とデジタルの融合を模索している。
・お客様からの要望をかたちにする受託型の業務だけではなく、自社製品を持ち販路を拡げていきたい。
印刷業者として、デジタル一辺倒ではなくデジタルと紙を融合させることで、紙ならではの温もりや驚きを届け、人の心に残る体験を提供していきたいと考えています。
当社の核(コア)はデジタルと紙の融合を通して、お客様に合理的な価値を届けること
そして、10年で従業員の所得倍増をし、隣地を購入し昭和印刷株式会社別館の作成をする
そんなワクワクするような未来にしたい