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木や紙の風合いを保ちながら不燃化させる技術

株式会社アサノ不燃【江東区】

テーマ概要

【自社の得意な技術・素材】創業より不燃に関わることを専門にし、火災にならず命と財産を守る製品開発を追求しています。現在、木材に加え、和紙や繊維、ぬり壁、など不燃製品は多岐にわたっています。特に、厚さ2.5mmまでのお持ち込み和紙を不燃化する技術は他社にはないものです。また、不燃木粉を山林火災や天ぷら油火災の消火剤として活用することを検討しています。私たちの技術は火災を防ぐことができ、煙や有害ガスの発生を抑えることで、人の命を守ることができます。
【自社しか持たない技術】
・水に溶けにくいホウ酸塩を世界で唯一、高濃度な液体化に成功。この不燃液を木材や和紙、ぬり壁材などに加工することで、高い防火力を発揮します。
・ホウ酸系薬剤のデメリットである木材の白華(表面が白くなる)を防止。約20年前の不燃木材を展示公開し、経年劣化や白華状況を確認しています。
・全国の手漉き和紙やさまざまな素材をお持ちこみいただき、不燃処理する技術。

テーマのアピールポイント

● 確かな不燃性能。木材で初めて「不燃材料」認定取得。日本ブランドなど受賞。
● 木材、和紙、繊維、ぬり壁材など、主に植物資源を燃えにくくし、リサイクルもできます。
● 不燃処理液の効能として、防腐、防虫、防カビ効果や経年劣化を防ぐ効果もあります。

テーマとなる技術や素材についての課題や悩み

● 価格や納期が優先され、不燃木材の不燃性能品質が重視されない場合がある。
● 和紙やクロスに難燃性をもたせ、煙ガスを抑える技術を建築資材以外にも活用したい。
● 不燃木粉を活用した新たな素材にデザインを加え、さまざまな用途の製品を開発したい。

提案やマッチングに期待することや、
理想とする展開例があれば教えてください。

現在、製品として展開している木材や和紙、布の不燃化、不燃木粉を活用した新しい製品が提案されることを期待しています。加えて、まったく新しい植物性の素材を不燃化し、デザインと組み合わせることで、私たちの想像を超える、安全で安心な生活空間を実現する製品を世に出していきたいです。この生活空間とは、身近な住環境に加えて、移動中の乗り物や広く林野火災の消火などの地球環境としての生活空間まで広く考えています。

特に、不燃木粉は延焼防止のほか、鉄やコンクリート、アルミに代わる新しい素材になりうるのではないかと製品を開発中です。

私たちがこれまで企画した製品は、耐震・耐火シェルターの技術を活かした「木製の耐火金庫」です。金属製の金庫は高温になり、大切なデータや紙類を焼失する恐れがありますが、当社の技術活用した耐火木材は、外気温と内部の温度がほとんど変わらないため、安全に財産を守ることができます。ほかにも、不燃木粉を活用した「木粉消火剤」があります。天ぷら油火災を再現し、不燃木粉を投下したところ、火災を消すことに成功しました。一般の消火器より軽く、操作の心配もなく使用できます。素材を不燃化すること、小型の木工品や木粉を加工することは自社内で試作品の製造が可能です。大型の木材製品や和紙、布などの製造・試作については、関連先と連携して進める予定です。

デザイナーへ向けて一言メッセージ

「不燃化」すること、「真面目」に製造することを得意としています。私たちの製品は、煙と有害ガスを抑えることで、火災にならず、命と財産を守ることができます。安全で安心な新しい生活空間を創造するため、時代やニーズに適した製品をデザインという視点で切り拓くことを、協働で目指せればと考えています。スマホのバッテリー火災などを防ぐためのバッテリーケースや不燃和紙や不燃布で作る、コンパクトになるヘルメットなどもあるかもしれません。自由な発想やアイデアをお待ちしています。

企業情報

株式会社アサノ不燃(江東区)

【設立】2001年10月
【商品やサービス】
日本で初めて不燃木材を開発し、不燃や耐火に関わることを専門にした会社です。私たちの技術は火災を防ぐことができます。煙や有害なガスの発生を抑えることで、人の命と財産を守ることができます。さらには、脱炭素や環境負荷を減らすことに貢献できる技術だと自負しております。現在、不燃の技術は、木材だけにとどまらず、和紙や繊維、ぬり壁材、発泡ウレタンなど多岐にわたっています。
【有している設備】
・含浸(がんしん)機:木材と不燃液を入れて減圧、加圧を繰り返して、不燃液を浸透させる装置。※一定量の木材がないと、含浸はできません
・乾燥機:木材を乾燥させる装置
・品質管理機:不燃性能が規定値に達しているか、品質の管理をする機械
・噴霧器:不燃液を霧状にして噴射する器具

https://www.funen.jp

特許・受賞歴・実績・クチコミ

【特許】不燃処理液、並びにこれを用いた防火剤
【特許】不燃木材の製造方法
【商標】CELL+FUNEN(セルフネン):指定商品・指定役務並びに商品・役務の区分  第16類および第19類"
【商標】火の用心 : 指定商品・指定役務並びに商品・役務の区分 第19類
【受賞歴・報道】
●経済産業省「新⽇本様式100選」 ●「⽇経BP賞」建設部⾨賞 ●林野庁「⽊材利⽤技術開発賞」
●JIPA(日本インテリアプランナー協会)新技術賞●東京都江東区「江東ブランド」認定
●外務省「Japan Topic Video」 世界7ヶ国語での動画紹介●NHK「新春特集」 ●TBS「夢の扉+」
●テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」 ●内閣官房「国土強靭化 民間の事例集」(令和4年)選定

回答者 住田 さん

社風について教えてください。

東京の従業員は少人数のため、意思疎通しやすく、互いにディスカッションができる環境です。現在、人の命や財産を守ることができる新しい市場に挑戦中です。世界的にも煙と有害ガスに関する規制はなく、安全で安心な新しい生活空間を創造するため、業務遂行しています。なお、開発・製造部門および工場は福井県内にあります。

自社ならではの強み、
他社との違いは何ですか?

・水に溶けにくいホウ酸塩を世界で唯一、高濃度な液体化に成功。
・ホウ酸は人体に基本安全で、防腐・防カビ・防虫効果が高い。
・木材の細胞レベルに薬剤を浸み込ませて乾燥させる製造技術、製品の品質管理をする技術。
・ホウ酸系薬剤のデメリットである木材の白華(表面が白くなること)を防止する技術。
・全国の地域材や和紙などの素材ごとの不燃処理液を開発し、特性を活かした不燃処理をする技術。
・全国の手漉き和紙を選定後、お持ちこみいただき、厚さ2.5mmまで不燃処理する技術。
・無機薬剤のホウ酸塩による製品は、リサイクルができるため、持続可能な社会に貢献すること。

現状社内で抱えている、本テーマ以外の課題や悩みはありますか?

①企業経営としての課題
・マンパワー不足のため、生産プロセスや顧客対応プロセスの改善が滞っています。
・研究開発・製造設備の老朽化。
②取り扱う不燃木材等を販売するにあたっての課題
・広報に関わる制作物のデザイン力やクリエイティブ性の刷新。
・建築資材、特に建築基準法で使用が求められる不燃材料、また、煙と有害ガスを抑える新しい製品は、専門性が高く、情報をわかりやすく届け、利用を促すことが容易ではありません。

自社製品・技術を通して、または企業として、社会で果たすべき役割や使命は何ですか?

火災がおこらず、人の命と財産を守ることができる。安全で安心な新しい生活空間を創造することで、新しい時代にお役に立ちたい。

今後の夢や目標、構想していることがあれば教えてください。

木材や和紙、ウレタン断熱材、植物資源を活用した新たな素材を開発し、燃えないシンボルタワーを建てたい。

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